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株式会社吉田 デザイナー 桑畑晃氏 インタビュー | JAPAN TWO
YOSHIDA & CO., LTD.

株式会社吉田 デザイナー 桑畑晃氏 インタビュー

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なぜ、吉田カバンのデザイナーになられたのですか?

JAPANTWO(JP2):なぜ、吉田カバンのデザイナーになられたのですか?

桑畑晃氏(桑畑): 吉田カバンのデザイナーって、そのほとんどが学生時代からうちの会社の製品が好きで、という理由で入社してるんですよね。前年の試験に落ちても何回も面接にチャレンジする人もいれば、ツテを頼ってくる人もいますし。でも、実は僕は「吉田カバンのデザイナー」なんて全然興味がなくて。学校の先生がうちの会社、当時の社長かな?を知っていて…僕は当時全く就職する気がなくて、アルバイトとかしてお金貯めて海外にでも行ってみようかな~みたいな感覚でいたんですけど、先生に一回は社会に出て社会のルールというものを知りなさいって言われて。僕は授業にもあまり出ませんし、好きなことしかやらないような生徒だったんですが、妙にその先生に気に入られてて。あんたでも就職できる唯一の会社があるかもしれないから、とにかく面接にいきなさいって言われて、面接に来たのがここ、吉田カバンだったんですよね(笑)

JP2: 現在、桑畑さんは経営企画室所属なんですよね?

桑畑: 経営企画室って今年できたばかりなんです。僕は経済に全然強くなくて、単純に自分の興味にあることや人脈とかを掘り下げていってるだけで。社長は経済畑のひとで、財務とかに強くてしっかり考える方ですが、僕は社長とは逆で感覚中心に生きている。社長は人のいい人で社員に対しても優しいんですけど、僕は社員に対してえげつないんですよね(笑)社長が言えないこととか気付かないこととかを、社員にどう思ってるか聞くし言うんです。うちの会社って僕が入ってから現在に至る20年の間に、売り上げで言うと相当な伸びを示したんですよ。入社した頃は会社というよりも吉田商店みたいな感じだったので、何のルールもないような会社だったんです。それが一気にここ10年くらいで社員が増えて、学歴で言っても立派な人が入ってくるような会社になっていく中で、整理できてないことがたくさんあって・・僕的には整理が出来てないほうが仕事がやりやすいということもあるんですけれど。けど、学校を出て色んな会社を見て、うちを選んで来る子たちって社会的な会社の立場とかがわかっていて、そこらへんを整備してあげないと気持ちよく仕事が出来なかったり、納得して仕事が出来ないんだろうなって思って。社長と話してたらお前やってみろってなって、今の状況になってるんですよね。社長の言葉を借りて言うと、ものづくりもやってきたんだから人づくりもやってみて、会社作りもやってみてって感じなんでしょうね。今、僕がやってることなんて。

デザインする際の特徴はありますか?

JP2: 吉田カバンの製品をデザインする際のポリシーやこれだけははずせない事はありますか?

桑畑: スタッフ全員に言ってることなんですけど、かばんって物を運ぶ道具なんですよね。女性の場合はファッションの一部としてかばんを持ちますけれど。うちは基本的には男性方に多く支持してもらっていますし、男性にとっては仕事の道具を運んだりするものなので、デザインとか見た目ももちろん大切なんですが、それよりも強度であったりとか使いやすさであったりを重視します。「丈夫さをはずしてまでデザインに特化する」ということは、基本的にうちのかばんにはいらないのかなって思っています。まあ、正直、僕は休日にかばんを持たないことのほうが多くて、かばんを持たないほうがストレスがないってのは絶対的な事実だと思うんですよ。かばんを持つというストレスをできるだけ感じさせないようにしたい、そういうことがかばん作りの中で大事なことなのかなって思います。ただ、その中でも両分することはあると思いますけどね。本当にデザインが好きで、「これを持つだけで気持ちが上がって」とか、「これを待てば大事なプレゼンも出来るんじゃないか」って思えるかばんも大事だと思います。ただ、どっちにしてもその人の中でプラスの要素に働くかばんを作っていきたいなって思います。

JP2: デザインする際の特徴はありますか?

桑畑: 特にないですね。ただ、他社のものの真似はしないようにして欲しいとは他のデザイナーにも言いますね。他の商品を見て勉強することはいいことですが、僕も含めて真似される立場を目標にしています。素材開発なども含めて、2番手って悔しいんですよね。どうせだったら、1番手がいいし新しいことにもチャレンジしたいですし。一方で、それによってうちの会社って損してるな、とも思いますけどね。製品化するにはリスキーだなって思いながらも素材開発にチャレンジしたら、やっぱりだめだったという事もあります。なのに、それから3年後とかには開発がさらに進んでて他社がその素材で商品を作り始めたりとか。もしくは開発じゃなくてPRにお金を掛けられたりとか。ただ、うちはPRにお金を掛けない代わりに開発にお金を掛けることで取材に来てもらえたりするので、それが本当のものづくりなのかなって思います。

吉田カバンのデザイナーとしての目標は何ですか?

JP2: 吉田カバンのデザイナーとしての目標は何ですか?

桑畑: 僕自身の個人的な目標ってのはないんですけど、会社が未来永劫続くように新しいものやおもしろいものを作りたいと思います。また、10年20年と色んな人に支持されるものを作りたいです。後輩達には一つのことを突き詰めて欲しいけど、色んなことに興味を持って欲しいとも思いますし・・・難しいですね。けど、できることなら一生日本製でやっていきたいです。「メイドインジャパン」を掲げる会社が増えていますけれど、震災とか不景気とかの理由でロット背負って海外に発注出来ない人が、今になって都合よくメイドインジャパンを使ってるなって思うんですよね。あなたたち実際は過去に日本の職人さんを捨てて中国に投資したでしょって。中国の人件費が高くなったらベトナムだインドネシアだって依頼先を変えて、日本が景気悪くなって、日本に少ロットで作れる状況が発生したから今度はメイドインジャパンっていうのは、すごく乱暴ですよねって、僕は思ってるんですよ。何でうちがメイドインジャパンかっていうと逆で、うちは投資をするような度胸もないし異文化の人とのコミュニケーション能力もないんです。やっぱり、文化の違う人達としつこく細かいところまでコミュニケーションとってものづくりしていくって、すごい能力だと思うんですよ!グローバル企業のユニクロさんみたいに工場に日本のプロを送り込んでやってるっていうのはすごいことなんですよね。だた、うちはそんな大きな生産ロットを背負えないですから。へんな言い方ですけど、日本の中で同じような食事をして、同じ水を飲んで、同じような生活の中で、同じ言葉で話せることが大切なんですよね。どんなにうちの会社が海外で展開していっても、やっぱり8割~9割は日本に住んでるお客様のお蔭で会社の経営が成り立っているので、そうすると1番感覚の近い人たちとものを作りたい。かっこよくいうと「メイドインジャパン」なんですけど、実は「メイドインジャパンしかできない」会社なんですよね。

JP2: それもすごいですよね。

桑畑: そうですね。だた、それが創業者の考えでしたので。それを続けられる以上続けて生きたいですね。

職人さんとデザイナーさんの思いの違いをどのように融合していくのでしょうか?

JP2: 職人さんとデザイナーさんの思いの違いをどのように融合していくのでしょうか?

桑畑: そうですね~昔に比べるとかなり色々と出来ることが増えたので・・・ただ、色んなギャップはまだありますよ。・・・もう、とにかく、しつこく言うってことしかないですかね(笑)うちのデザイナーには、縫製技術を含めてかばん作りについてある程度勉強している人間もいて、僕とかも型紙は多少なら切れるし。もちろん、みなさんにお金を払っていただくほどの物は自分で縫えないんですが、ある程度知識のある者もいて、それにキャリアがあれば自分でも勉強もしますし。そのなかで、「こうしたらできませんか?」という問いかけに対して出来ないと言われたら、何で出来ないかってことを皆しつこく聞くんですよね。そうすると、最終的には職人さんの中には「その縫い方がいやだから」とか、不思議な答えが返ってくることもあるんですよ(笑)ただ、たとえば、「その縫い方だと1日に出来上がる数が少なくなるからできない」って言われた時にどっちを選択すれば良いのかってのは、デザイナーの裁量なんです。見た目と強度のバランスが重要なんだってことを、ずっと突き詰めていくと職人さんが別の妥協点を出してくれたり、本当に言葉のキャッチボールなんですよ。それをどこまで突き詰めることが出来るのかってことが、デザイナーだと思います。何年も前から日本の職人さんも景気が悪いので、「手伝わせてください」ってありがたいことに言ってきてくれる職人さんもいるんですよね。けど、やっぱり中にはここまではできない、何でこんなことする必要があるの、って疑問を持つ方もいらっしゃいます。例えば、他社さんだと1回縫うところを吉田は3回縫う、意味ないでしょって。けれど「意味あります、縫ってみたらわかりますから」って。それで、やってもらって納得する職人さんもいらっしゃいますし、逆にそこまでの仕事は出来ないっていう職人さんもいらっしゃいますし。たまに、吉田カバン基準っていわれます(笑)

上松氏(株式会社吉田広報 / 上松) 逆に新人デザイナーだと職人さんから教えてもらうことも多いんですよ。こうすると、いいよって。

桑畑: そういう意味では、うちの新人にとっては厳しいけど、逆に楽だし勉強にもなる思いますよ。自分で考えなくても職人さんがフォローしてくれる部分があるんで。

上松: 新人と職人さんでは経験値が全然違うんですよね。

桑畑: ただ、キャリアのない子たちにいつも言うことがあるんです。職人さんに助けてもらうだけだと、自分たちで考えてお願いすることができなくなるから、なんでこうなってるのかということや、なんで職人さんがこうしたのかってことを知ってから納得しなさいと。ただ、職人さんがこうしたから良かったっていうのは、絶対にダメ。どうしてこうしたのかってことを、自分のデザインの中で理解していかないと。そうした意味がわかるまで話し聞いてこいって言います。そうすると、職人さんは教えてくれる、そうすると次の自分の企画ではすぐ職人さんに聞くんじゃなくて、まずは自分で考えるんですよね。そうやって、職人さんのデザインじゃなくて自分のデザインになるんですよ。好きじゃないとうちの企画・ものづくりはできないですよね。

吉田カバンのデザイナーとして、メイドインジャパンへのこだわりはありますか?

JP2: 吉田カバンのデザイナーとして、メイドインジャパンへのこだわりはありますか?

桑畑: 日本人ってすごく手先が器用だと思うんです。それを、生かすも殺すもデザイナー次第なんですよね。デザイナーなんて、ものを作ってくれる方たちが居なきゃ成り立たないんですよ。もちろん、世界のすごいデザイナーさんたちは別ですけど、僕たちはそこまで評価される事でもないと思います。うちは職人さんとか材料屋さんとかが居て成り立っているので。どんな神輿でも担いでくれる人がいなければあがらないですからね。むしろ、デザイナーなんて神輿とも言えないんですよ。製品に携わる一部分なんです。デザイナーってクローズアップされがちですけど、かばん作りで担っている役割は実際は3割くらいだと思いますよ。あとは、縫製してくれる職人さんがいて、材料を作ってくれる職人さんがいて、販売してくれる人がいて、そうじゃないと成り立たないですからね。作品じゃないですからね。これは、美大出身の子とか他のデザイナーにも言いますね。僕たちは芸術家じゃないし、商品はアートじゃないからって。お金をもらってなんぼだからって。そこがわかっているのであれば、ある程度自由にやっていくのはいいことだと思っているんです。

上松: うちは、かばん屋であることにこだわっている会社なんです。よくアパレル系のウエアとか他ジャンルの商品展開をやらないんですかとか聞かれるんですけど、社長も絶対に手を出さないです。デザイナーも吉田カバン製品として販売することの意味を常に考えています。たとえば、どんなにデザインが良くても強度がダメだったりとか、道具として成り立たないかばんなのであれば、それは製品化できないんです。ただ、逆のことも言えるんですよね。例えば「ここぞ!」という時に使いたくなるような上質な革を使ったビジネスブリーフで、「ショルダーストラップを付ければ便利なのはわかるんだけど、それって持った時に見栄えが悪いよね」ってことになるとあえて省いたりします。いかにスマートに見せるかということも魅力の一つなので、ただ便利さを追求するのではなく、TPOや製品コンセプトに沿った判断も必要なんです。

吉田カバンが海外にいる外国人にも評価される理由とは

JP2: 日本にいる外国人ではなく、海外にいる外国人にもポーターが人気なのはなぜだと思いますか?どこが、評価されているのだと思いますか?

桑畑: 僕も海外にはよく仕事で行かせてもらうんですが、立場的に似ている会社が少ないからなのかなってまず思います。日本では、「吉田カバンをビジネスモデルにしているんだな」って思わせる会社もあるんですけど、香港に行くとバッグだとまずはラグジュアリーブランドが圧倒的に多いんですよね。そことうちは立ち位置が違うんですよね。そして、下に行けば凄く安いものがたくさんある。うちのコピー商品も含めてですが。アジアの中で日本製って憧れの一つなんだと思うんですよね。それに、企業の歴史観だったりも自分たちはちゃんと紹介できてますし。買いやすいでしょうね。

上松: 「異業種とのコラボレーション」を弊社は90年代からいち早く始めていたので、「かばんに興味がなかったけれど、コラボレーションアイテムから吉田カバンを知ったよ」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。PCや携帯電話などのデジタルガジェットやカメラなどの専用のケースなども、それぞれ世界に名高い企業とコラボレーションして開発していますので、吉田について知っていただける良いきっかけとなっています。

桑畑: 製品に対して高い利益率を取ってPRにお金をかけるという会社はとても多いんです。でもその方法を僕たちは良いとは思ってないので、自社でのPR活動はほとんど行なっていません。だから、コラボレーションの声を掛けていただいた企業がグローバルなところだと、製品開発自体がPRに繋がるんですよね。今年の9月に香港に行って思ったんですが、これだけニーズがあるのならば、このニーズにあった展開も必要なのかなって思いましたね。特に大きさとかですよね。アメリカ人やジャーナリストの方なんかに、「吉田の商品は好きなんだけど、サイズが小さい」なんて言われることもありますし。今後、海外の人たちに向けたかばんも考えていかなければいけないのかなって思います。その土地や生活習慣に合ったものにアップデートしていかなければいけないのかなって思いますよね。

ファンの方へのメッセージ

JP2: 最後に、海外に居る吉田カバンファンの方、そして、これから吉田カバンのファンになる方へのメッセージをお願いします。

桑畑: 既に買っていただいている方には、これからも商品の品質やおもしろさでは裏切らない形で、新しいことに挑戦して行きます。そして、今まで以上にその土地や生活習慣をちゃんと勉強してそれに合ったものを提供できればなって思っています。そして、そのような中で、これから興味を持っていいただけた方には買ってよかったなとか、次は何があるんだろうとか思うきっかけになればなって思います。そんな風に思っていただけるような商品作りを一生懸命やっていきます。楽しみにしていてください。

 

 

 

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